ロータリー式田植機を疎植田植機に改造する

去年の暮れに3万円で購入した中古の乗用田植機です。
これをいよいよ疎植田植機に改造します。

まず最初の仕事は、バッテリーの交換でした。
完全にへたっていたので、3回目からかからなくなりました。
すぐ外して、コメリへ買いに行きました。

形式は30A19Rです。
この形式は、もうこのタイプしかなく、今はほとんどB型になっているようです。
西伊豆のコメリでは売り切れで、伊豆市のコメリまで買いに行ってきました。
5千円ちょっとでした。

いよいよ改造に入ります。
改造箇所は、ここ。
植え付け部です。

ロータリー式の田植機には、一組のロータリーに、2本の植え付け爪が付いています。
それを回転させて、交互に植えていくのです。
その片一方を外して、一つだけ植えるようにするだけです。
超簡単!( ^_^)

仕事を始める前に、この田植機の構造について、詳しく調べます。
ロータリーや、植え付け爪を動かす動力は、エンジンからPTO(パワー テイク オフ)で取っているようです。
中心部に通っている滑り止めの溝が付いたシャフトが、その伝達部でしょう。

その下の油圧のシリンダーは、植え付け部全体を持ち上げるためのものです。
この辺は今回はいじる必要ありません。
ちょっと汚れているので、あとでクリーニングとグリスアップとラッカー塗装したいですね。( ^_^)

ボンネットの中にある3本のベルトクラッチみたいなのが気になっていましたが、・・・

副変速機のクラッチでした。
エンジンをかけて動かしてみたら、仕組みがわかりました。
これならいちいちクラッチを切らずに変速できます。

主変速は、ハンドルの下にあります。
作業(前進)・後進・走行の3つだけです。
最初は、どうやって止まったままで植え付け部を作動させるのかわからなかったのですが、
植え付け部の油圧の固定・解除のスイッチがあって、
植え付け部をあげてから固定し、
それから主変速を作業にすれば、植え付け部は上がったままで、作動させることがわかりました。
何しろマニュアルがないので、一つずつ実際に動かして確かめていくしかないのです。
おもしろいですけどね。( ^_^)

いよいよ改造にかかります。
どこから外そうか考えましたが、植え付け爪だけ外せば、あとの面倒がないことがわかりました。
植え付け爪は、2本のボルトだけで留めてあります。

爪は外れました。

苗を押し出す部品もすぐ外れました。
詳しくは、youtubeに動画をアップしてありますので、見てください。

ここです。→

エンジンをかけて、動かしてみたので、さっきの写真と位置が違いますが、植え付け爪を外しました。
左側の奥の方が外したところです。

ここも左奥が外したところです。
これで疎植田植機はできあがりです。
簡単です。( ^_^)

次に、この施肥機も外します。
私は、化学肥料は使いません。
やるなら山の落ち葉か、草を枯らしたものと決めています。

施肥機からは、太いパイプが張り巡らされています。

それは植え付け部の爪のすぐ近くまで伸びています。

肥料はペースト状のもので、このPTO式のポンプで送られていたようです。

こちらはボンネットの中の左右にある巨大なタンク。
肥料のタンクです。
要りませんが、取ってしまうと穴が開いてしまうので、残しておくことにしました。

ンジンの前には、ペースト肥料の投入口が・・・。
これも要りませんが、外しません。

パイプを外します。

植え付け爪の近くに伸びていたパイプも外しました。

切り替えバルブも外します。

とってもスッキリしました。

このポンプも外します。

まずは、ポンプに付いているカバーを外しました。

やりにくいので、運転席の下のカバーも外しました。

カバーを外して、PTOのチェーンとギヤも外しました。

ポンプを動かすPTOの変速機も外しました。

非常にスッキリしました。
あとは、エンジン部から来るチェーンが残っています。
チェーン切りという手もありますが、面倒なので切断します。

こいつの出番です。

はい、切れました。

結局、施肥機を動かすために、これだけのチェーンが動いていました。
かなり負荷が軽くなるぞ〜。( ^_^)

外したパイプ類です。

植え付け部も軽くなりました。

シート下もスッキリ。
あ〜気持ちいい〜。( ^_^)

ここは外しません。

これで本体は完成。

最後まで迷ったのが、この苗乗せ台です。
しかし、結局、この苗乗せ台を使うほど、たくさんの苗箱は使わないことに気がつき、外してしまうことにしました。

ハイ、スッキリしました。( ^_^)

右側も、・・・

はい、スッキリしました。

簡素な疎植田植機、完成です。( ^_^)

さっそく田起こしして柔らかくなった田んぼに乗り入れて、テストしてみました。

アルミブリッジは、けっこう段差があって、固いタイヤの田植機で上るのは怖いので、こんな踏み台を自作しました。
こんなんでも、けっこうスムーズに上れていいですよ。( ^_^)

何回かテストしてみましたが、ちょうど30センチちょっと広めに植えられました。
大成功です。
しかし、3番4番の広い田んぼはいいですが、5・6番の狭い田んぼは、乗用田植機ではやりにくいですね。
また、去年の歩行式の2条田植機でやるかな。( ^_^)

最後に気になったのが、この前に付いていたマーカーです。
何の意味があるのだろうと考えていましたが、植え付け作業をやってみてわかりました。
後ろの植え付け部が通るラインを示しているのです。
やっぱりあった方がいいことがわかったので、取り付け部を自作します。

この部分に同じように付けばいいのです。

3センチ幅くらいの鉄の板を買ってきて、グラインダーで切断します。

ピンぼけですが、できました。

つぎに研磨用の砥石に取り替えて削ります。

こんな感じで。( ^_^)

左右2枚できました。
次にボルトの穴を開けます。

外側の穴は、10ミリでした。
うちには8ミリまでしかありませんでした。
また、コメリに買いに行きます。

ありました。
1300円くらいでした。

無事に開いて、取り付け完了。

うまくできました。

こんな感じで付けます。

あとは塗装です。
このままでは、すぐに真っ赤にさびてしまいます。

今回の鉄板は、厚さ3ミリでした。
けっこう丈夫です。
次回の溝掘り機の改造にも使えそう。

ラッカーで塗装します。
裏表、それぞれ3回ぐらい塗りました。

ちょっと急いでやって、泡ができてます。
ま、いっか。( ^_^)

はいできました。
本体よりもキレイです。( ^_^)

こっちもいい感じ。

見事に後ろの植え付け部の出っ張りと一致しています。
当たり前。( ^_^)

こちらもです。
これにて疎植田植機の改造、完了!( ^_^)