PENTAX SFX
私が就職して、初めて自分で買った一眼レフカメラです。1980年頃かなあ。
当時は、まだまだ絞り優先や、シャッタースピード優先の一眼レフカメラが多く、
ピント合わせは手動のカメラがほとんどでした。
そうしたとき、衝撃的にデビューしたのがMINOLTAのα7000でした。
当時、重たい一眼レフのレンズをモーターで駆動してピントを合わせるなんて、
考えられないことでした。
ピント合わせの要らない二眼レフのカメラはバカチョンと呼ばれ、軽く見られていたのです。
実際、当時の二眼レフカメラは、まあ、失敗しないけど、あまりアップは撮れないと言う、
そこそこのカメラしかなかったのです。
だからα7000の登場は衝撃的で、たちまち大ヒットとなりました。
それまで静観していた他のメーカーも続々とオートフォーカス一眼レフを作り始めるようになったのです。
私がこのペンタックスSFXを買ったのは、じつは東京の叔父が旭光学、つまりペンタックスに
勤めていて、何となく親しみを持っていたからでした。
SFXというネーミングも、何となく当時はやっていた日本製の次期戦闘機FSXみたいでいいなあと思いました。
このSFXは、PETRIと比べると電子部品の固まりみたいなカメラでした。
絞りもシャッタースピードも、フォーカスも、全て自動。
しかもオートフォーカスの動きがキュン、とか、キュッ、キュキュとか
微調節まですべて計算された、何か未来のロボットの関節が動くような音がして、とっても気に入っていました。
カメラ上面には、液晶の情報表示画面が付き、ほとんどの情報を知ることができました。
背面にはオプションで年月日の写し込みができるデータバックを付けました。
普通の一眼レフに比べて、本体左側の右手でグリップする部分が、異常に太かったのは、
当時はまだ性能のいい電池がなくて、オートフォーカスを駆動するための電池が大きかったためだろうと思います。
α7000もそうでした。
シャッターボタンは、α7000と似た角形のボタンです。
当時の二眼レフと似ていて、半押しでオートフォーカスが働き、焦点が決まって
ピピッと鳴るとシャッターが降りる仕組みでしたが、
ペトリの重厚なメカニカルシャッターの音に慣れた後では、何か物足りなさを感じたのは事実です。
シャッタースピードは速いんだけど、シャッターが切れるまでが遅くて、ストレスがたまりました。
これは今のデジカメでも同じです。
最新型ではだいぶ改善されてるらしいけど。
レンズは、スーパーマルチコーチングのレンズでF=3.5〜4.5
35mm〜70mmのズームレンズでした。
マウントは、左下の黒いボタンを押さえながら左に回すとはずれるペンタックスKマウントと呼ばれる方式です。
じつはこのFSXは、2002年頃、電動シャッターが動かなくなって、修理に出したのですが、もう部品がないらしく、
修理不可能でした。
でも、レンズは今のペンタックスのカメラで使えるので、引き継いで使っています。
内部もISO感知機構やフィルム感知機構などなど、いろいろなセンサーや電動機構がいっぱい。
下面は強制巻き上げのスイッチと三脚の固定穴。
そうそう、暗いところでは、ポップアップ式のストロボまで付いていました。
なんか一眼レフらしくなくていやでしたが、使い勝手は良かったですね。
付属の人工皮革のケースは、20年近く立ってボロボロになってしまいました。
やっぱり本革の方がいいみたいですね。
こうして今は使えなくなったSFXですが、捨てるに忍びなく、今でもカメラケースの中に眠っています。
何とか直せないかなあ。