(2001年8月のメールを元に編集しました。)
2学期が始まって2回目の土日。
ホッと一息ついていることと思います。
まさに、戦場のような1週間でした。土曜日が休みでほんとによかったです。
さて、さすがに朝晩は涼しい風が吹き、泳ぎたいなあ・・・、と思うことは少なくなりました。
海に行っても、さざ波が立っていて、もう泳いだら寒そう。
ついこの間、海開きをしたと思ったのに、結局この夏は、2回しか、シーカヤックに乗れませんでした。
まだ、もうしばらく、乗れないことはないのですが、もうさすがにTシャツ、海パンと言うわけには行きません。
沈したときのことを考えると、そろそろウエットスーツを着た方がいいでしょう。
しかし、私はまだ、ウエットスーツがないのです。
さすがにこの年でウエットスーツを買いに行くのは勇気がいるのです。(笑)
そこで、今回は、前回の牛伏までのお散歩に続き、2回目は狩野川を、
鮭か、シーバスよろしく遡ったときのことをお知らせしましょう。
時は8月17日、そう、あの台風18号が沖縄の辺に近づきつつあったころです。
もう2,3日したら、うねりがやってきて、カヤックにも乗れなくなるだろう・・・、
ということで、ちょっと波はありましたが、6月以来、久しぶりの志下海岸にこぎ出しました。
午前10時頃だったかな。
今回の目的地は狩野川です。
海から河口へ向かい、河口からできるだけ遡ってみよう、ということです。
まずは、前回の続き、牛伏山の裏側からです。
実はこの日もけっこう波があって、牛伏海岸から我入道海岸にいたる岩場ではけっこうフネが揺れてスリルがありました。
ここを過ぎるまでは、パドルから手を離して、カメラを構えて写真を撮るゆとりはなかったのです。
ここは明治時代、政府の元老(大山 巌らしいです。)の別荘があったらしいところです。
今は荒れ果てて、ジャングルみたいになっていますが、とっても日本の、しかも沼津の我入道のすぐ近くとは思えないでしょ。
人がゴショゴショいる海水浴場に比べ、人っ子一人いない、まるでどっかのプライベートビーチです。
ここを過ぎると、我入道海岸。いよいよめざす狩野川が見えてきます。
前方のずっと左まで張り出しているのが、沼津外港の堤防、
真ん中辺に波をかぶっているのが、狩野川の河口へ張り出している岸壁です。
自転車ではすぐなんだけど、我入道海岸もパドルで漕いで進むと、なかなか距離があります。
そうこうしているうちに、やっと河口へ入りました。
前回の時には、久しぶりと言うこともあって、時計も飲み物も忘れてきたのですが、
今回はしっかりペットボトルに1L、お茶も積んできました。
前方右側の小さな山みたいなのが、我入道の不動さんのある不動岩、
左側のビルが、港湾の羽野水産のビルです。
ここまで来ると海の波もおさまり、気楽なものですが、当然川の流れに逆らって遡るのですから、
海を進むときよりめんどうです。手を休めると、じきに流されてしまうのです。
しかたなく、ある程度流れが緩やかなところまでは、休まず漕ぎ続けなければなりません。
ほとんど、かごの中のハムスター状態。(笑)
それはともあれ、しばらく行くと我入道の渡しのあたりが見えてきました。
この辺は流れも緩やかで、しばし、パドルを漕ぐ手を休めてカモメなんぞが休んでいるのを眺めます。
やっぱり川はいいなあ。(笑)
またしばらく行くと、我入道の漁船が、ずらっと並べられた我入道漁港です。
漁師さんたちが大勢、川縁に腰を下ろして、世間話をしています。
ここを過ぎると、いよいよ楽しみにしていた橋くぐりです。
橋は、上を通るのもいいものですが、水の上から見上げてみたいなあと思っておりました。
それって、変ですかねえ。(笑)
遠くに港大橋が見えてきました。
港大橋は橋桁はかなり高いのですが、ほぼ水平に近く、遠くから見るとなかなか優雅な橋です。
近づくにつれてだんだん高くなり、くぐり抜けたときには、彼方に次の橋、永代橋が見えてきました。
このあたりまでは、遡るフネは私一人だったのですが、
にわかに上流からなにやらかけ声が聞こえてきました。
そう、東高のボート部の子たちです。
ボートには一人乗りと5人乗りがあり、一人乗りの方は、黙々と漕いでいますが、
5人乗りの方は一人舵を持ってかけ声をかけるやつがいて、何やら大声を出しながら来るので、すぐ分かります。
じゃまにならないように、右側の浅い方を通っていきましたが、どうも右側通行になってるみたいで、
向こうも反対側を下ってきたので、うまくすれ違いました。
といっても、けっこう川幅があるので、ぶつかる心配はないんですけど。(笑)
そうしているうちに、永代橋が近づいてきました。
永代橋は、上を通るとかなりアーチがきつくて、太鼓橋みたいな感じがするのですが、
下から見ると、やはりかなり伸びやかなアーチです。
違うものですねえ。
もう少し上流まで行きたかったのですが、この時既に12時を回っていました。
川幅もだいぶ狭く、浅瀬に近づくとパドルが川底に着くようになりました。
家を出るとき、子供たちにお昼頃には帰ると言ってきたし、そろそろUターンする事にしました。
さあ、今度は、川下りです。
漕がなくても進んでいきますが、今度は思いっきり漕いでみました。
そうすると、速い速い・・・。
やっぱり川はいいなあ。(笑)
しかし、やっぱり、競艇用のボートにはかなわず、また抜かされました。
でもよく見るとこのボート、漕ぎ手が3人しかいません。
ということは、右と左で、漕ぎ手が1対2?
(そんなことはありませんでした。左右両手ともオールを持ってるので。)
これで上り下りで通算2回くらい抜かされたかな。(笑)
ま、しょうがないわいな。
フネが違うんだから。
かくして、またまた河口をめざします。
我入道の渡しを過ぎると、河口が見えてきます。
ここではまだ波もなく静かなのですが、この後、いよいよ海に出るときは大変でした。
さっきまで静かだった海にうねりが出てきたのです。
海から上がってきた波が、河口の堤防をザ〜〜〜ッ、と音を立てて遡っています。
「うわ、まずい、いよいよ台風が来てしまったか!」
とあせりましたが、とにかく志下の海岸までは帰らなければ陸へ上がれません。
波が来ると上下にピッチングを始めたフネをなんとか我入道海岸の方へ向けて進めていきます。
我入道海岸は、行きは追い風だったのか、あんまり風を感じなかったのですが、
帰りは向かい風で、きついきつい。
いくら漕いでも少ししか進まない感じで参りました。
でも、途中で、何やら魚がゴショゴショ水面近くに集まっているところがあって、
近くを通るといっせいにバシャっと音を立てて逃げました。
たぶん、ボラかなんかだと思うのですが、姿が見えないと怖いものです。
まさかサメなんかじゃないでしょうけど、一瞬ドキッとします。
もうしばらく行くと、どうして死んだのか、60cmをこえるシーバス(スズキ)が
幅10センチもあろうかという腹を上にして浮かんでいました。
写真を撮りたかったのですが、風が強く、カメラを構える余裕がありませんでした。
残念。
かくして、苦労はしつつ、なんとか我入道海岸を過ぎ、牛伏山の裏を過ぎ、
牛伏海岸に戻ってきたときはホッとしました。
遠くに象山が見えます。
こうなると少し余裕が出てきます。
カメラのフィルムの残り枚数を確かめて、全部写してしまいました。
いよいよ志下海岸の背後の鷲頭山が見えます。
上陸地点の近くの海の家も見えてきました。
山の後ろには、行く夏を惜しむかのような夏雲が湧いています。
こうしてこの夏の2回目のシーカヤックの旅は終わりました。
時間は1時近くなっていました。
お昼ころには帰ってくると、子供たちに言ってあったので、
「遭難したかと思って、心配してたんだぞ!」
と言われるかと思いきや、こどもたちの言葉は、
「お父さん、お昼、何にする?」でした。(笑)
全然心配されてないっていうのは、うれしいことなのか、なさけないことなのか・・・。(笑)
ではまた。