海開き(2001年6月のメールを元に編集しました。)

6月11日の月曜日、ふれあいの日で、沼津の小中学校はお休みでした。
しかし、世間一般の会社ではお仕事のところが多かったようです。
先週あたりから、海が暖かくなってきて、ソワソワしてたのですが、
今朝、自転車で海を見に行ったら、久しぶりに風のない、穏やかな凪だったので、
思い切って3年ぶりにシーカヤックを引っぱり出し、海開きをすることにしました。

4年くらい前にK小にいたときに買ったものですが、ここ2年ばかり、ずっと
軒下に吊されて、陸の河童となっていたのです。

うちの隣の食品工場では、仕事着を着た人たちが、大勢忙しそうに働いています。
その横を、短パンにTシャツの海辺スタイルでカヤックを引っ張って海へ向かいます。
皆さんが働いてるときに、やっぱりちょっと、後ろめたいような気もしますが、
海への思い絶ちがたく(笑)、ゴロゴロと引っ張っていきました。

志下海岸には、風や波もあまりないかわりに、もやがかかっていて、水平線がはっきりしません。
彼方に牛伏山がかすんで見えます。あの向こうが我入道海岸です。


ええい、ままよ。ここまで来たらこぎ出そう。
さっそくパドルを組み立て、引っ張ってきた移動用のキャリヤをひっくりがえして上に向けます。
風が少しあるのでウィンドブレーカーと、命綱のライフジャケットを着て、これにて準備完了。
いざ、出航!

このカヌーは、シーカヤックといって、海用に作られたものです。
小さく見えますが、全長は5m弱、幅は60pくらいです。

引き上げ式のラダー(舵)も付いています。操作は、コックピットの中の足で行います。
海にこぎ出すと、幅が狭い分、ボートより安定はやや悪いですが、
ちょっとくらいの波では全然平気で、転覆の心配はありません。

ただ、もしも沖でひっくり返ったら、誰も助けてくれないので、自分ではい上がれるように、そのための緑色のパドルフロートという道具をコックピットの後ろに積んであります。

さらに、コックピットの中に水が入っても、前後に空気タンクがあるので
沈みはしませんが、水をかい出すための赤い手動ポンプもコックピットの前に積んでいます。

ひっくり返ったら、自分は泳いで、カヤックを逆さにしてコックピットの中の水を抜き、
パドルとパドルフロートを使ってはい上がるのです。
まあ、大波で何度もひっくり返らない限り、大丈夫でしょう。
この日の海はほんとに穏やかで、しかもうれしいことにいつもの日曜日だと、
うわんうわんと唸りをあげて走り回るウオータージェットや、モーターボートがいくつもいるのですが、
今日は月曜日でだあれもいません。

フネは私のカヤックだけで、ホントの貸し切り状態。
これでもっと天気が良かったら最高なんだけどなあ・・・なんてつい贅沢を考えてしまいました。


いつも自転車で通る御用邸の裏の堤防の沖を牛伏の方に向かってこいでいきます。
少し風はあるのですが、波は静かで、なかなかいい気分です。

我入道の海岸を回って、狩野川まで行きたいのですが、我入道海岸の外側は風が強そうで、ちょっと波が出ています。
こりゃ危なそう、ということで、今回は牛伏の海岸沿いに、東急ヨットハーバーまで行ってみることにしました。
牛伏のサーフボーダーたちが大勢集まるあたりに行くと、風はあるのですが、波がほとんどなく、
海面が鏡のようになっています。
なるほど、サーフボーダーが集まるわけだ。
初心者が練習するにはうってつけのところです。


悪名高き塚田川の河口の水門の沖、100m位の所を通ります。
塚田川の河口から突きだした堤防の上から、釣り人が投げ釣りをしていますが、全然届きません。

なかなかいい景色なので、パチリととりましたが、パドルのしぶきがかかっていたのか、
カメラのレンズに水滴がかかっていたらしく、写真の真ん中辺がぼやけていました。
あ〜あ、残念。

このあと、我入道海岸の手前、牛伏山の岩場前で向きを変えて、
もと来た志下海岸に向かって戻りました。


40分位たったでしょうか。
志下の桟橋の方にも行ってみようかな、と思ったところで、きゅうにフネが重くなって、
漕いでも漕いでもなかなか進まなくなりました。

あれ〜、変だな、と振り返ると、おかに上がったとき、カヌーを引っ張るためのキャリアが
ひっくり返って、海の中にぶら下がっています。

え〜、こんだけで、こんなに重くなるの、と思いましたが、水の抵抗って大きなものなんですね。
こりゃ、そろそろ止めろってことだと思い、おかに上がりました。

こうしてウミガメが卵を生むときのように、砂浜をズルズルとカヌーを引きずって
堤防の上まで引っ張り上げます。これがまた重い重い。

そしてまた、さっき来た道をウンショ、ウンショとカヤックを引っ張って約5分、家へ帰りました。
よ〜く水洗いして塩を流し、またまた定位置の軒下に収まったのでした。

このカヌーは、カナダのニンバスという会社のパフィンというカヤックですが、材質がポリエチレンで、丈夫なのはいいのですが、重いのが玉に瑕。

約30キロあり、後ろにキャリヤをつけても、前を持つと片手に15キロの荷物を運ばなければなりません。
まあ、家から5分の所に海があるからいいですが、これを車の屋根の上に積んで、遠くまで行くのは、もうちょっとごかんべん、ですね。(笑)

これからシーカヤックを買う予定の方には、ちょっと値段は高いですが、
重さがポリエチレンの約3分の2くらいのFRP製のカヤックをお奨めします。
20キロくらいで、ホイールを付ければ片手で楽々持てますよ。

というわけで、無事、海開きは終わりました。
また、海に出かけたら、お知らせします。
ではまた。