2000年8月のメールを元に編集しました。
夏休みも開けて涼しい秋風がたってきました。 今回お届けするのは、夏休み中の8月25日に行ったユーザー車検のレポートです。
というのも、私はサファリに乗り始めて今年で12年。
そのうち、前の2ドアのサファリが7年、4ドアにしてから5年です。
サファリは普通貨物の11ナンバー車で、1年車検です。
1年目はディーラーでやってもらったのですが、5万円くらいで済みました。
ところが2年目になると交換する部品が増え始め、7,8万円になり、3年目からは10万円近くになりました。
しかも、若い整備員さんが悪くもないところまでいじって、アイドリング回転が以上に高くなって、マニュアルシフトチェンジだったので、怖い思いをしました。
これではたまりません。
そこで、3年目の車検(6月でした)の2ヶ月後の夏休みに、ユーザー車検にチャレンジしました。
最初はいろいろわからないこともありましたが、1つずつクリアして何とか合格。
以来毎年ユーザー車検で、今年で10年、10回目です。
では、そのやり方をご紹介しましょう。
まず、車検を受ける前に、自分で車の12ヶ月点検をします。
これは、車検証といっしょに入ってる整備手帳を引っぱり出して、エンジン、電気系統、ブレーキ、シャシーという具合に、片っ端から見ていくのです。
前にディーラーがやった点検整備を参考にすれば、だいたい、どうつけるのか見当が付きます。
また、これには車高の高い四駆のほうが断然有利です。
というのも、車体の下に潜り込んで、ブレーキの配管を見たり、シャシーを掃除して黒いスプレーで塗装するのに、非常に便利だからです。
また、四輪ディスクブレーキであることも、非常に便利です。
ディスクブレーキは基本的に分解しないでブレーキパッドの厚さをチェックすることができるからです。
後輪がドラムブレーキだと、基本的に整備士の免許がないと分解整備はできませんから、自分でブレーキライニングの厚さを見ることはできません。
タイヤをはずしてブレーキのチェックをしたら、ブレーキ周りやホイールハウス周辺を入念に掃除して黒スプレーで塗装します。
ここまででスプレー代が800円×5本で4000円。
あとは、エンジン周りではお決まりのオイル交換。
20L缶で買って、半分の10L使って、2000円くらい。
オイルフィルターも交換します。(1000円×2で2000円)
バッテリー液を補充して、ターミナルの掃除をします。
エアクリーナーエレメントもほんとは二年ごとですが、汚れてくるとディーゼル車特有の黒煙が出てひんしゅくを買うので交換してしまいます。(2000円)
ここまでの整備で約10000円です。
そうそう、貨物自動車は、車体に所有者名を書かなければなりません。
トラックに書いてある、○○商店とか、○○販売株式会社、とかいうやつです。
きれいにワックスをかけた車体に、泣く泣くペンキで名前を書きます。
恥ずかしいですが、規則だからしょうがありません。
もちろん、車検が終わったら、いそいでペイント薄め液で消しますけど。(笑)
1番目は、自動車検査票(継続検査)です。この用紙は、車検場に行くと受付でタダでもらえます。
これに、車検場の15番窓口で売ってる1500円の車検費用の収入印紙を貼っておきます。
2番目は、自動車検査証(車検証)で、これは今乗ってる車についてる前の車検の時に取った車検証です。
3番目は継続検査申請書で、これは19番窓口で35円で売ってます。
4番目は自動車税納税証明書で、これは毎年5月に支払ってるやつ。
たいてい自動振り込みで葉書で領収書といっしょに来てます。
5番目は自賠責保険の証書。これは、今の分と新たに来年の分まで更新した2通が必要です。サファリの場合、1年分30950円也。
6番目が定期点検整備記録簿。
自分で点検してつけたやつです。
そして最後の7番目が、自動車重量税納付書です。
14番窓口でもらえますから、ここでサファリの場合、収入印紙で18900円分買って、貼り付けます。
ここまでの費用は、自動車税は5月に払ってるので抜かして、約50000円、整備費用と合わせて60000円です。
これで書類はそろいました。
ユーザー車検の方法を書いた本を参考に、自分で記入します。
できたら、いよいよ車検予約です。
前は直接車検場に行って予約したのですが、今はテレホンサービスで10日前から電話で予約するようになりました。
一時、ユーザー車検がブームになったときには予約がなかなか取れなくて困ったものですが、このごろはすいてて、9日前でも取れました。
こうしていよいよ原の石川島播磨重工業の隣にある陸運局沼津自動車検査登録事務所に愛車を駆って乗り込みます。
門を入ってすぐに検査を受ける車両を停めるところがありますが、どうも停めにくいので、
いつもこの奥の右手の駐車場に停めておいて、事務所に行きます。
毎年やってて慣れてても、つなぎを着た自動車整備工場やディーラーの人たちに混じって素人のユーザーが車検を受けるのは、やっぱり少し緊張します。
まず、事務所に行って、書類を提出します。
最近はユーザー車検専用の受け付け窓口があります。
自信なさそうに書類を持っていくと、記入漏れとか、書き足りないところとか、
ていねいにいろいろ教えてくれます。
ここで問題がなければ、その書類をもって、いよいよ「○コースへ行ってください。」
と指示されるので、車をそのコースへもっていきます。
ここでまず、外観検査を受けます。
タイヤの取り付けや方向指示器の具合、ワイパーやホーンなどのチェックを受けます。
これはよっぽどひどい改造でもしてない限り、不合格になることはありません。
これで、係から合格の判をもらうと、いよいよ試験棟の中に車を乗り入れて、テスターによる車検開始です。
この日は大型トラックと同じ扱いで、2コースへと指示されました。
2コースは400ccを超える大型バイクのコースでもあります。
最初は、サイドスリップ検査です。
この白い鉄板の上をゆっくり走るだけです。
暴走族みたいな八の字みたいなタイヤの取り付けをしていない限り、まず合格です。
前の天井からぶら下がっている電光掲示板に
「サイドスリップ○ 前進してブレーキ検査へ」という表示が出るので、
続けて前輪のブレーキテスターに車を進めます。
ここに前輪を載せてギアをニュートラルにすると、ローラーの間の支えがゆっくり沈んで、ローラーが周りまじめます。
それにつれてタイヤも回るのですが、前の電光掲示板に「ブレーキを踏む」と表示が出るので、ここで親のかたきとばかりに、思いっきりブレーキをふんづけます。
ここで踏み方が弱いと、ブレーキテストで不合格になってしまうことが多いのです。
1回目がダメでも、2回目でたいてい合格します。
しばらくすると、掲示板に
「前輪 ○ 前進して後輪テスト」
と出るので、前進して、後輪をローラーに載せます。
また、ローラーが回転して、思いっきりブレーキを踏んで、合格。
同じようにして、駐車ブレーキ(サイドブレーキ)もテストします。
合格したら、次に、スピードメーターテストに移ります。
スピードメーター検査は、後輪ブレーキと同じローラーを使います。
ここでは、後輪ブレーキテスタのローラーの上に乗ったまま、天井から垂れ下がっているスイッチのケーブルを手に持って、ギアを前進に入れて、アクセルを踏みこんでタイヤでローラーを回します。
スピードメータが40キロになったところでスイッチを押します。
これも多少誤差があっても、まず合格します。
ここで車から降りて、検査表を合格スタンプを押す機械に差し込んで、合格の判をもらいます。
次が最大の難関、ヘッドライトテストです。
ブレーキテスターから車を進めると、ヘッドライトテスタの停止線があります。
電光掲示板の指示する場所で車を止め、ヘッドライトをハイライトにします。
すると、キンコンキンコンと音を鳴らしながら、ヘッドライトテスタが、自動で車の前5M位の所を移動して、ハイライトの光量を測定します。
サファリは普通の乗用車より車高が高いせいか、ヘッドライトテスタとの相性が悪く、いつも右か左のどちらかが不合格になってしまいます。
そこで、このコースのテストが終わった後で、5コースでやり直すと、たいてい合格するのです。
次は、下回り検査です。
車の両輪の間に長方形の穴が空いていて、下に検査員がいます。
それをまたいで進むと、電光掲示板で、停止を指示されます。
そこで止めると、「ハンドルを切って。」
とか、「ブレーキを踏んで」とか指示されます。
そのとおりにやると、下では小さなハンマーでブレーキやら何やら、カンカンたたきながらチェックして、これもたいてい1発で合格します。
こうして、全ての検査に合格すると、総合審査で書類をもう一度見てもらって、検査表に合格印をもらいます。
これを事務所の受付に提出すると、真新しい車検証と、車内のルームミラーの前のガラスに貼る次の車検の年月を表示するシールを渡されて、車検終了です。
こうして車検証を取るのには、整備にだいたい丸2日、書類を取りに行くのと、受けに行くので2回、車検場に通います。
まあ、夏休みだからできることですね。
一般の企業じゃ、平日に車検場に車をもってくことなんかできないでしょうし、整備に丸々2日かけるなんてこともちょっと無理ですね。
ということで、やっぱりユーザー車検は、夏休みのあるものの特権でしょうか。
とはいえ、自営業と思われる普通の主婦の方も自家用のトラックの車検を受けてましたっけ。
商店などの自営の人もできますね。
まあ、こうして車検を取った後、ブレーキの整備にディーラーに出すので費用的には、全部ディーラーに任せるのと、結局同じくらいかかるかもしれません。
でも、自分の乗る車を、こうして自分でチェックして、車検を受けるのは、なかなか楽しいもので、毎年の慣例になってしまいました。
古いサファリのときには、5,6年目あたり、あちこち傷んできて整備がめんどくさくなると、整備だけディーラーに頼んで、車検だけ自分で受けたことも1回ありました。
ユーザー車検は、数年前、道交法が改正されて、6ヶ月点検が廃止されたころにはものすごくもてはやされて、車検場が混んだこともあったのですが、このごろはまた以前の落ち着きを取り戻しています。
まじめに整備をやって、まじめに書類をもっていくと、相手は運輸省の国家公務員ですから、けっこう親切に教えてくれますよ。
来年は、自分の車でチャレンジしてみませんか。
ではまた。